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2016.11.17

和知 徹の世界肉旅行 ぬりえの旅(9)

和知 徹の世界肉旅行 ぬりえの旅(9)

古の都が点在する、ポルトガルへ

旅の仕方が変わり、
もっと源流を探りたくなった。
西ヨーロッパ最端の国は一体どうなっているのだろう?
古くから日本との繋がりがあり、
ボタンやビスケットなどのポルトガル語が、
日本語になったものがたくさんある。
また、
大航海時代の栄枯盛衰は知ってはいても、
具体的な食事のイメージが無くて分からない。

 

先ずは、
ポートワインのポルトへ飛び、
パプリカたっぷりのソーセージを食べた。
乾き過ぎずしっとりとして、
どこか懐かしい豚の自然な旨味に感激して、
嬉しくなった。

 

次に車を走らせて、
中部にあるバイラーダ地方に行き、
レイタオンと呼ばれる仔豚のアサードを食べた。
ゆっくりと焼き上げられた豚の皮はパリッとしていて、
皮の下の脂が、
それまで食べたことが無いくらい甘く、
牛肉ばかり食べていた口には衝撃的で、
生ハムといい、
ソーセージといい、
豚の奥深さを再認識して、
いつかきっと自分でも一頭を余すところなく、料理したいと決意した。

 

更に足を伸ばして、
マデイラ島に飛んだ。
お目当てはエスプターダと言われる、
自生するローリエの枝に刺して串焼きにする、マデイラ牛だ。
脂肪は少なく、
噛み締めて旨い肉。
後にブラジルに飛び火して、
シュラスコになったとも言われている。
山の中のロッジで焼かれた肉は、
ローリエの甘い香りと相まって、
堪らなく旨かった。

 

今思えば、
自分を南米へ向かわせるきっかけになったと思う。
肉を追いかける気持ちは、
誰にも止められなかった。
ルーツを探り、
知れば知るほど食べたくなり、
行かずにいられなかった。

 

 

(写真)

・後にシュラスコになったと言われる、マデイラ島のエスプターダ(串焼き)
・ゆっくり焼きあげるバイラーダのレイタオン(仔豚の丸焼き)
・ダンにあるワイナリーの家族

マルディ・グラ

〒104-0061

東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビル B1F

  • 03-5568-0222

和知 徹

和知 徹

骨太で豪快な料理が魅力、銀座のフレンチの名店【マルディグラ】シェフ。ブルゴーニュの一ツ星「ランパール」で半年間研修後、87年「レストランひらまつ」入社。ひらまつ在籍中の96年、パリ「ヴィヴァロワ」で3カ月研修し、帰国後ひらまつ系列の飯倉「アポリネール」料理長に就任。退職後、98年銀座「グレープガンボ」の料理長を3年務める。01年、独立。和知 徹といえば、肉料理とも言われるほど。著書に「銀座マルディ グラ流 ビストロ肉レシピ」(世界文化社)などがあり、“和知流”肉レシピのファンは多い。