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2016.11.25

あの人のけしからんレストラン「ペレグリーノ」

教えたいけれど教えたくない、でも仲のよい人には教えたい!
そんな名店を食通がリレー方式で紹介していきます。

あの人のけしからんレストラン「ペレグリーノ」

紹介してくれた人 浜田 岳文さん

ここはもともと、西麻布でやっていた有名レストランが恵比寿の一軒家に引っ越したのですが、いろいろなことがとてもユニークなんです。

まず、客席は6席。料理はおまかせのみ。予約は19時30分の一斉スタート。

それもさることながら、一番おもしろいのは店内のレイアウトです。

 

店全体がキッチンという発想で、テーブルが横一列になっていて、座席も向かい合わせではなく、横並びで全員キッチンのほうに向って座ります。ここ1年ほどこういう劇場型のお店は増えていますが、とてもおもしろいですよね。

なぜそのような形式にしたのかは、料理の説明が調理をしながらでもできること、サーブなど一人でこなせるミニマルな導線を考えた結果、このスタイルが必然だったのではないかと思っています。

そして、僕が考える最大の理由は、これはレストランのキーワードでもあると思うんですが、「アラミニュット」。作りたて。ですね。パスタを目の前で打ち、生ハムも目の前にある大きなスライサーでその場でスライスする。その分時間はかかりますが、満足度は高いです。

 

 

そして、今回僕がおすすめするのは、ここの生ハムです。

 

扱ってるハムがいいのは当然なのですが、このハムがここでしか食べられないかと言ったらそうではないんです。それこそ、本場パルマに行って生産者を訪ねれば、より熟成が進んで良い状態のハムを食べることもできます。では何が特別なのかと言ったら、スライスの妙、薄さ、なんです。

 

日本人と西洋人では好みが違う。一般的に言われるのは唾液の分泌量なんですが、西洋人のほうが多いと言われています。ですので、多少乾燥したものでも西洋人ならば自分の唾液でそのパサつきがあまり感じないそうです。逆に、しっとりと湿気を帯びているとか、ジューシーであることを、日本人ほど重要視しない。だから、よほど敏感な一部のプロを除いて、生ハムもある程度の厚みでスライスしてそれを噛み締めて旨味が出てくるのを楽しむし、切った後しばらく時間が経過していても気にする人はほとんどいません。

 

しかし、「ペレグリーノ」のハムはとっても薄いんです。これは日本人の食べ方にあった、考えつくされたもので、この味わいは高橋シェフ、このレストランに行かなければ味わうことのできない、一品です。劇場型のテーブルで、一種類ずつ切りたてのハムが最適な状態でサーブされる。プロシュットや「ボンダボン」の多田さんのペルシュウ、モーラ・ロマノニョーラなど、薄くスライスされていることで空気を含めた香りの旨さまでを味わうことができ、それが一瞬にして口の中で溶ける。この感覚は、ここに行かないと味わえないと思います。

 

「生ハムなんて、現地で食べたほうがおいしい!」と思っている方にこそ、ぜひここの生ハムは味わって欲しいですね。

 

 

追伸:ここは、アイスクリームもおいしいですよ!

ペレグリーノ

〒150-0013

住所:東京都渋谷区恵比寿2-3-4

営業時間:19:15 開場 19:30※お料理一斉スタート
休:月、火、木

※営業開始時間の直前~営業中は電話対応できない場合があります

 

  • 03-6277-4697

浜田 岳文さん

浜田 岳文さん

1974年兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。

大学在学中、学生寮の不味い食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを開始。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。

外資系投資銀行と投資ファンドにてM&A・資金調達業務とプライベート・エクイティ投資に約10年間携わった後、約2年間の世界一周の旅へ。帰国後、資産管理会社(ファミリー・オフィス)社長を経て株式会社アクセス・オール・エリアを設立、代表取締役に就任。エンタテインメント企業、小売大手、ウェブサービスなど、各社に対してアドバイザリー・サービスを提供している。

南極から北朝鮮まで、世界約115カ国・地域を踏破。現在、一年の3ヶ月を海外、6ヶ月を東京、3ヶ月を地方で食べ歩く。

2016年度「The World’s 50 Best Restaurants(世界のベストレストラン50)」選出店の90%以上を踏破し、2016年度「OAD Top Restaurants(2016年度OAD世界のトップレストラン)」の投票者ランキングで第2位にランクイン。レストラン評価サイト「食べログ」の「グルメ著名人」や、グルメキュレーションサービス「TERIYAKI」のキュレーターも務めている。