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2017.01.23

和知 徹の世界肉旅行 ぬりえの旅(11)

和知 徹の世界肉旅行 ぬりえの旅(11)

No Meat No Life.

牛飼いのガウチョが牧場で焼く肉は、
日本人のバーベキューで焼くそれと、
スケールも焼き方も違ってた。
ラテンの血がそうさせるのか、
言葉は同じでも、
スペインのアサードの在り方とも違い、
原始的に焼き込んだ丸ごとの肉は、
噛むほどに出てくる味わいで、
とにかく痺れた。
丸ごと調理するから、
何も無駄が無いし、
内臓だって全て食べ尽くす。

 

だから、
肉の良し悪しを決めるのは、
サシや脂では無いし、
ましてや揉みダレなんかでも無い。
生ではあまり食べないから、
焼きだけ。
香りや肉の繊維を感じる、
焼きにかかってるんだなぁ。
広大な土地に放されて、
ストレス無しで育つ牛だから、
熟成も過激にはしない。
シンプルに薪や炭で丸ごとなんだけど、
これを牧場だけでなく、
街中のレストランでも、
普通に食べられているのには驚いた。
毎日アサードを昼、夜繰り返し食べる。
他にもソーセージや内臓、幾つかの部位を盛り込んだパリジャーダは、
1つ上をいくミックスグリル的な料理で、
アルゼンチンの牛だからこその料理だ。

 

それから忘れられないのが、
パタゴニアの羊。
気温の低い乾燥した土地の草を食べるから、
特有の香りとはまた違った風味がして、
むしゃぶりついて食べたんだけど、
最近旅した中央アジアの羊と対照的で、
スパイスとかが欲しくならない旨い肉だった。
だからまた1つ、
自分の中の肉の門の扉が開いた感じ。

 

帰る頃には和牛をどうしたら上手く焼けるのか?
その世界観を肉焼きでどう表現出来るのか?
眠れないほど興奮してブエノスアイレスの夜は更けていった。

 

多分、タンゴダンサーの色気とか、
ワインを飲み過ぎたせいじゃ無いと信じてるんだけどね。

マルディ・グラ

〒104-0061

東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビル B1F

営業時間:18時~24時(L.O.23時)

休:日

  • 03-5568-0222

和知 徹

和知 徹

骨太で豪快な料理が魅力、銀座のフレンチの名店【マルディグラ】シェフ。ブルゴーニュの一ツ星「ランパール」で半年間研修後、87年「レストランひらまつ」入社。ひらまつ在籍中の96年、パリ「ヴィヴァロワ」で3カ月研修し、帰国後ひらまつ系列の飯倉「アポリネール」料理長に就任。退職後、98年銀座「グレープガンボ」の料理長を3年務める。01年、独立。和知 徹といえば、肉料理とも言われるほど。著書に「銀座マルディ グラ流 ビストロ肉レシピ」(世界文化社)などがあり、“和知流”肉レシピのファンは多い。