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2017.02.27

いまどきの外食事情を調査せよ(前編)

リアルな外食事情を探るべく、肉メディアでは全国の20~30代にアンケート&座談会を実施しました。

いまどきの外食事情を調査せよ(前編)

事前にチェックはあたりまえの時代に

先日、人気飲食店評価サイトの授賞式があり、受賞結果を見た肉メディア編集スタッフ(20代)がこうつぶやきました。

 

「え? ほとんど知らない店です。これってどういう基準で選ばれているんですか? 人気店? ってわけじゃなさそうですよね??」

 

もちろん、受賞にはきちんとした基準があり、それらを満たしたものが選出されているはず。しかし、これに限らずネットで食のことを論じている専門家やシェフたちを見ていると、知らない飲食店のことを知らない人たちが話をしているように思え、他人事のように受け止めてしまう人が多いのではないだろうか。かくいう、冒頭の発言をした編集部のスタッフもそのひとり。

 

そこで、実際にネットで飲食店の情報に触れる機会の多い全国の2~30代の男女に飲食に関係する様々なアンケートに答えてもらい、編集部にて座談会を開催、ディスカッションしてもらった。

 

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まず、「外食(居酒屋含む)のお店を決める際、ネットの口コミや点数を参考にしている」という質問に、82.9%が参考にしていると回答。これは多くのユーザーが実際に訪問前に飲食店情報と接触していることになる。
しかし、「参考にしているものの、気にしていない」という意見が一番多かった。

 

「サイトで調べるときって、自分のためじゃないですね。誰かと食べにいくときだけ調べてます。やっぱりはずしたくない」(30代男性)

「あまり低い点数のお店は行かないです。3.0以下だと何かあるんじゃないかって思うんで。そういうときは口コミとかまで読みます」(20代女性)

「むしろ低いと、すごく気になっちゃう(笑)(行ったら)ネタ的に面白いなって」(30代男性)

 

アンケート結果からもじっくり読むことはあまりせず、表示されている写真で判断することのほうが多い意見が多数あり、また、自分のためというよりは、誰かのためにおいしい食事処をみつけたい。背景にはそのような思いがあるようだ。

 

 

そして、「口コミサイトの評価を信じて訪問し、がっかりした経験がある」との問いは、「ない」派が多数。やはり事前にある程度の情報を得て訪問しているからだろうか、この結果は納得だ。

 

しかし、肉メディアでは「ある」と答えた人の理由を見てみたい。
「写真と違う」「期待していたほど美味しくなかった」という意見も多かったが、実はがっかりしたポイントのダントツナンバーワンは従業員の接客態度だった。一部を見てみようと思う。

 

「接客も冷たかった。説明が不十分で軽く騙された気になった」(20代女性)
「お皿などを置く際に音を立てて置くのが嫌でした」(30代女性)
「話題先行で期待ほど美味しくなかった上に、店員の態度も非常に悪かった」(20代男性)

 

飲食店にとっては耳が痛い意見ばかりだが、ディスカッションでは以下のような意見も出た。

 

「昔、自分が飲食店で働いていたので、どうしても見る目が厳しくなっちゃってるところはあると思うんですけど、飲食店って今、海外の労働者が増えて、あきらか僕達がやっていた頃昔よりもサービスの質は落ちてると思います」(30代男性)

 

「私も飲食店でアルバイトしていたので、どうしても接客態度が気になってしまいますね」(20代女性)

 

学生時代、アルバイトなどで飲食店で働いた経験を持つ人が多いからなのだろうか、事前に調べて訪問したレストランへの期待値の大きさからなのか、実際に訪問した際、味よりもサービスに不満を持つ場合が多いことがわかった。

 

「牛丼屋などのチェーン店では店員の態度とかまでは求めてないですけど、でも期待してない分、店員さんが気持ちいいといい」(20代女性)

 

「店員の態度がよくなかったら、いくら美味しくても、もう二度と行かないかな」(30代男性)

「気持ちのいいお店は印象に残る」(30代男性)

 

注意深くサービスを観察した、なかなか厳しい意見も多かった。また、女性よりも男性のほうが接客態度を気にしていることも、アンケートによりわかった。

5,000円がボーダーラインのディナー

次は、「飲食店(居酒屋含む)を決める際、あなたが一番重視してるものはなんですか?」を聞いてみた。

これは、「値段」が70.6%と一番高く「味」を上回った。

 

「飲み会とかの会計のとき、一人5,000円です。って言われると“今日は結構いったな”って思う」(30代女性)

「あー、わかります! 今の私は5,000円はイタイ」(20代女性)

「普段は自炊派で、店の情報よりもレシピサイトのほうがよく見ますが、でも年に1度くらい、結構高いところで美味いもの食べたりはします。たとえば、去年は「器楽亭」に行きました。ひとり2万円くらいしましたけど、行ってよかった。たまにこういう贅沢っていうか、そんなんを仲間とします」(20代男性)

「あーわかります。僕も、さすがに2万とかじゃないですが、年1回くらい1万くらいのお店にいきます」(30代男性)

「田舎から両親が上京してきたときとかに、やっぱりおいいしいお店につれていってあげたくて、高いお店にいきますね」(30代女性)

「自分のためには使わないよね」(20代男性)

「うん」(全員同意)

 

重視している項目が微差とはいえ、味よりも値段のほうが上回った。これは世代の平均年収やライフスタイルなどを鑑みると結果は極めて平均的な結果と言えるかもしれない。ディスカッションの中でも、一人暮らしをしている2,30代世代の中で、週3日以上外食している人は多かったが、仕事帰りに地元の定食屋に立ち寄るなど、低予算かつ職場や自宅付近での飲食店の利用が多かった。

スターシェフ不在の今

30歳後半40歳以上のかたなら記憶にあるだろうが、昔「料理の鉄人」というテレビ番組があり、そこからいわゆるスターシェフが生まれた。今まで知る人ぞ知る裏方の存在だった料理人が、一躍スターになっていった瞬間でもある。

そんな中、こんな質問をしてみた。
「あなたがグルメ・食通だと思うタレントは?」

「有名シェフと言えば?」

 

やはりメディアの影響だろうか、アンジャッシュの渡部さんが100人以上の回答を集めた。
次点が、アイドルグループV6のメンバー長野さん。同点でホンジャマカの石塚さん。次いでダチョウ倶楽部の寺門ジモンさん、グルメレポーターの彦麻呂さんと続く。

テレビなどで活躍しているかたの名前が多い印象を受ける。

 

他には、タレントでいうと、水卜 麻美アナウンサー、ケンドーコバヤシさん、タモリさん、GACKTさん、吉田類さん、速水もこみちさん、サイゲン大介さん、家事えもん(松橋 周太呂)さんなどの名前があがった。ブロガーなどでは、有名レビュワー、うどんが主食さんが名を連ねた。

 

次いで本題のシェフだが、一番多かったのが、やはり川越達也氏。ここのところめっきりテレビで姿をみかけなくなったが、今でもこの世代のシェフの代名詞となっているようだ。

あとは、たいめいけんの茂出木 浩司氏(※たいめいけんの黒い人 と回答されたかたが複数)。

あとは・・・賛否両論の笠原将弘さん、イタリアンの落合務さん。笠原さんはテレビなどで活躍していたり、落合さんも若者にも手を出しやすい価格でのコースを提供しているせいか名前があがった。

他には、トシ ヨロイヅカさん、サダハル アオキさん。両名とも有名パティシエであり、このお二人の名前はスイーツ好きなら名前が出るのも頷ける。

 

 

30代の若きシェフたちも頭角をあらわしている今、情報を利用するコア層がなかなか高級レストランに足を運ばない、運べない世代でもあるからこそ、メディア露出していないシェフたちの活躍ぶりはあまり知られていないことが今回のアンケートでわかった。

 

冒頭に戻るが、いくら表彰されようとも、知らない大人たちが知らない飲食店のことを話題にしていても他人事のようにしか響いていないのではないか。ひきつづきこの世代と「外食」を考えていきたい。(後編に続く)

 

※フェイスブックで、「どんな情報サイトを見ていますか?」アンケートの結果を公開中!

https://www.facebook.com/nikumedia/

 

(グラフ作成:川原 康子)