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2017.03.07

いまどきの外食事情を調査せよ(後編)

リアルな外食事情を探る、全国の20~30代にアンケート&座談会の後編です。

前編はコチラ

いまどきの外食事情を調査せよ(後編)

ライフスタイルの変化で意識も変化していく世代

前回のアンケートでは、2,30代の外食への関心度をお伝えしましたが、編集部としても驚くような結果が出たものも。

続く後編でも引続き2,30代とともに、「有名とは」「人気とは」「メディアの情報とは」を考えていこうと思う。

 

さて、早速ですが上のグラフは、「飲食にお金をかける人の気持ち理解できる?」の回答結果。

 

この結果に、編集部一同少々安堵しました。とはいえ、食にお金をかける人への理解はあっても自分はしない、理解できない、まったく理解できない人の割合は全体の33.4%にもぼる。

 

ちなみに、理解度が低いと回答した方の、男女の割合は、男性が38%、女性が31%
なお、「全然理解できない」と回答した世代は、男女共、30~34歳が一番多かったが、「理解できない」と回答した世代は35歳~39歳の女性が多かった。
なお、理解できないと回答したかたの意見の一部は以下のとおり。

「結婚して家庭を持ったら、外食の回数は減りました」(30代女性)

「1食に1万もかけるとか全然わかんない」(20代女性)

「まずくなければなんだっていい」(20代男性)

 

女性の場合、結婚で生活環境が変わることにより、外食への意識にも大きく変化が起きる。「理解できない」と回答した割合が一番多かった層が35歳~39歳の女性だったこともアンケートの結果でわかった。

紙媒体、ほぼ絶滅危惧種?

前編を公開した際、先行してfacebook に掲載した「あなたがよく利用している、または参考にしている食の口コミサイトはどこですか?」の結果は、→【facebook ページ 肉メディア】https://www.facebook.com/nikumedia/

 

大手2大飲食店情報サイトがワンツーフィニッシュを飾ったのは想定内。ただ、スタッフ全員が“飲食のプロではない”ことがストロングポイントの情報サイト「EATPIA」もランクインしている。

 

肉メディアは更に聞いてみた。

「他に参考にしているwebサイト、または、サービス、媒体があればおしえてください(ミシュランガイドや雑誌など)」

 

一番多かった意見は

「参考にしない」「あてにならない」だったが、次点は「知人からの口コミ」だった。理由の一部を見てみようと思う。

 

「まわりに食べ歩きな趣味な友人がいるんです。そいつの情報は信用できるので」(20代男性)

「食べ歩きが趣味なので、自分で確かめます」(20代女性)

「地元は基本的に自分が食べ歩いた情報や友人の情報のみ。webで店探しをすることはありません」(30代女性)

「友人のやっているブログしか見てない」(30代男性)

 

 

比較的、食に感度の高い層ほど「参考にしていない」ことがわかる結果となった。

 

 

そして、今回のアンケートで、情報源として特定の雑誌名や書籍名を出した人は0(ゼロ)人だった。

ディスカッションでも、

「雑誌とかでお店探しをすることはないですね」(20代女性)

「本は買わないですね」(30代男性)

「特集が面白そうでも? ミシュラン・ガイドとかも?」(編集部)

「ないですねー」(30代男性)

「ミシュランとかよくわからないし、(値段が)高いってイメージがある」(20代女性)

「まわりにも雑誌読んでる人いないよね?」(20代女性)

「確かに」(30代男性)

 

世代的に紙媒体への接触頻度が低いことは想定していたが、アンケート結果を見てもそれは歴然だった。

 

また、20代前半の世代は「インスタグラム」という回答をした人も多かった。これは飲食業界にかぎらず、年齢が低年層になればなるほど、写真のみから情報収集をしている人が多い。

 

「IG(インスタグラム)のハッシュ(タグ)で検索して、おいしそうなお店をチェックしています」(20代女性)

 

 

では、自らSNSへの投稿することはあるのか? これは否定的な意見が多かった。

「そもそもアップしない」(30代男性)

「食べ物ばかりアップしてる人って痛い」(20代女性)

「マウンティングに巻き込まれたくない」(20代女性)

「上司のインスタやfbの写真が高そうな料理ばっかで、正直ドン引き」(30代)

「おしゃれなお店にいったときだけ」(20代女性)

 

 

料理の写真をSNSにアップしない理由は「自慢になるから」という回答した人が150人以上いた。

ディスカッションでも以下のような意見が出た。

 

「あぁ、そういう人(自慢したい人)なんだなって思う」(30代女性)

「俺は気にならないけどなぁ」(30代男性)

「基本はそうだけど、毎回食べ物の写真ばかりだと、なんだろこの人? とはなるかも」(20代女性)

「あ、ここ行ってみたい! とはならない?」(編集部)

「ありますけど、その時だけですね。わざわざ調べたりまではしないですね」(20代女性)

「テレビで紹介されたお店も、行ってみたいなーとおもってGoogleMAPにポイントしておくんですが、実際に行ったことは1度もない(笑)」(30代女性)

 

男子積極的に厨房に入るべし! を作ったSMAPの貢献は大きい

次は「持っているレシピ本、料理本があればおしえてください」という設問を投げてみた。

 

上位3つの回答をみてみようと思う。一番多かった回答は「持っていない」次いで、「ビストロ スマップ」のレシピ本シリーズ、「MOCO’Sキッチン」のレシピ本シリーズと続いた。

 

「レシピ本とかは持ってないですね。ネットで見れるので」(30代男性)

 

「持っていない」と回答した人がダントツで多かったが、そんな中、人気テレビコンテンツのレシピ本が人気だった。

 

「スマスマのレシピ本※ビストロスマップのこと は持ってます。作ってみたいなって思って」(30代女性)

「SMAPのレシピ本」(30代男性)

「ビストロスマップの本」(30代女性)

 

持っているレシピ本で一番多かったものが、人気テレビ番組「SMAP×SMAP」の料理コーナー「bistro SMAP」と連動したものだった。このコーナーは実際にSMAPのメンバーたちが料理を作ることでも有名で、今ではあたりまえになりつつある、“男子厨房に入るべし”の先駆者的な存在だった。紙媒体からの情報接触が少ない世代が購入した1冊。この回答結果はとても興味深い。

 

「MOCO’Sキッチンの本は買っちゃいました。簡単にできそうだったから」(20代女性)

「小林ケンタローの本と石原軍団の炊き出し本」(20代男性)

「和食のきほん的なやつ」(30代女性)

「お弁当のために作り置き系のものと100円おかず本のレシピを買いました。毎回ネット見るのが面倒」(30代女性)

 

他にも、人気のテレビ番組と連動したものは人気が高く、それが1冊にまとまったものは便利なようだ。他はいつの時代も定番である料理の基本系なものを購入をしていることがわかった。余談だが、石原軍団の炊き出し本とは、炊き出しメニューが少人数用にまとめられた「石原軍団炊き出しレシピ33 つくってあげたいこだわりごはん」のこと。

 

検索窓に料理名を入れ調べるだけで、本格的なレシピ(最近では動画付)にたどりつける時代に、レシピ本への関心は非常に薄い。しかし、そんな中購入しているレシピ本の大半は一流のレストランの味を我が家で! というものではなく、等身大で背伸びしないレシピ本が人気なことがわかった。

今後の飲食業界とメディアへの宿題

 

2,30代にとって飲食店を調べる際に活用しているサイトは大手2つが大半を占めている中、そのうちのひとつが、“ここは僕達のサイトが選ぶ優秀なレストランです”という名誉を与えたレストランたちを、コアであるユーザー世代は知らないと言う。

それは本当なのか? では、いったい選ばれたレストランは専門家だけのものなのだろうか? 実際のサービスを利用しているユーザーとは遠くかけ離れているのではないか? そんな疑問が今回の特集につながった。

 

結果、1回の食事に5,000円程度を使っている2,30代にとって、ひとりあたり、15,000円以上予算が必要なお店はとても敷居の高いものであることがわかった。

 

今回の調査から、2,30代の外食事情、食情報への関心度の理解を深めることができたが、同時に、残念ながらこの世代が3,40代になった頃には(もっと早いかもしれないが)、現在有名だとされている、客単価15,000円以上のレストランの半分は姿を消すだろうと危機感も感じている。

もちろん生涯年収なども関わってくるだろうが、どうやって若者世代に、幅広く“おいしい”をたくさん伝えていけるかが、今後、われわれメディアや飲食業界に携わる人たちへの大きな宿題とも言えそうだ。