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2017.03.13

パスタにスプーンってアリ? 

もしかして、自分も間違ってるかも? なテーブルマナー

パスタにスプーンってアリ? 

スプーンの存在と正しい巻き方を考える

パスタと言えばイタリア。

昔から、パスタを食べる時にフォークをスプーンの上で廻して食べるのは、本場では子ども達だけだと聞いていたが、小さい子どもたちを観ていると、割と器用にフォークだけでパスタを頬張っている。
日本人なら、子どもの頃、親から箸の上げ下げをうるさく注意されていた人も多いと思うが、それと同じでイタリアの子ども達はパスタをちゃんと食べるための躾を受けているのだろうか。また、スプーンを使うのはマナー違反なのか?

 

以前に友人のイタリアンのシェフに正しいパスタの食べ方を聞いたことがある。回答は次のとおり。
「まず、パスタの全面に空きを作り、パスタを3~4本絡めるようにして、時計廻りで回転させて、きれいに巻き終わり(長いものがないように)口に運ぶ、これだけ」

と。

しかし、パスタと言ってもひとくくりには出来ない。
乾燥パスタと生パスタでも違うが、太さやパスタの形状(タリアテッレのような平麺)だけでもパスタの種類は沢山あるのだ。
日本人が指すパスタはほとんど乾燥パスタだと思う。

これに、「アルデンテ」という信仰に近い茹で具合が良いのだと浸透したのだが、日本人がフォークだけでパスタをうまく巻けないのはこの辺が理由なのではないかと推測する。

 

硬くて充分に水分が入りきらない(アルデンテ)パスタはコシが強くまとまりが弱い。
それゆえに、フォークにからめにくいし、パスタのソースがオイリーだとさらにまとまらない。
だから、スプーンの上で充分にソースとからめて、乳化させたほうがまとまり食べやすい。
だんだん、生パスタ(パスタフレスカ)を出す店が多くなると、生パスタは最初から水分を多く含みまとまりが良いので、皿の上で廻しただけで充分である。

これは、個人的な意見だが、パスタ自体とパスタのソースと具材によってスプーンも使うべきだと思っている。

 

そこで、日本でパスタを食べる時にスプーンの扱いはどうだろうかと思い出してみた。
一般的には以下のパターンが多い。

 

・イタリア料理レストランでは、スプーンは使わない。(頼めば出てくる)
・パスタ専門店では最初からフォークとスプーンがセットで出てくる。

 

スプーンは慣れない子どもが使い、大人は使わないものという風潮があるが、パスタ専門店では普通にスプーンが出て来る。

一般的には平皿で提供されたパスタはフォークのみで食べ、深皿の場合はスプーンを使うのがマナー。

とはいえ、皿の上で充分にソースとパスタを乳化させて食べた方が旨い場合もあるので、日本でパスタを食べる場合は堂々とスプーンを要求しようではないか。(本場では頑張ってフォークのみで食すべし!)

 

ただ、パスタは必ず時計廻りに廻すべし!
スパゲッティを食べる時イタリアではフォークを時計と反対回りにフォークを回すと不幸になるといわれているのだ。
東洋の薬膳の考え方でも、時計廻りに廻すのは“陽”で反対に廻すのは“陰”であるということになっている。

 

だから、パスタの最大のマナーは廻す方向にあるのだ、実際に時計廻りにした方がパスタソースが自分の方にかからないでしょう。
ちゃんと理屈があるんですなぁ。

 

 

お手伝いハルコ 後藤晴彦

お手伝いハルコ 後藤晴彦

出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。 お手伝いハルコのキャラクターで『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載。『包丁の使い方とカッティング』『街場の料理の鉄人』『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』など著書多数。2012年より故郷の岩手県の産業創造アドバイザーに就任。食アプリサイト「TERIYAKI」メンバー。ぐるなび「ippin」のキュレーターとしても活躍中。

http://otetudaiharuko.blogspot.jp/