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2017.04.20

食と科学のおいしい関係(16)

部屋の中で焼肉を! 家で無煙焼肉ができれば、焼き肉屋さんに行かずとも、安くておいしく焼肉が楽しめる。それを可能にするのが【やきまる】である。これからの季節、野外ではどうか? 【やきまる】を外へ持ち出してみた。

「やきまる」VS「ザイグル」無煙対決! の記事はコチラ

食と科学のおいしい関係(16)

【やきまる】の実力は、以前もこのコーナーで取り上げた(『焼肉店へ行く必要ナシ?! 最新無煙ロースター、驚異の実力』参照)。煙の正体は脂であり、脂が火に触れなければ煙は出ない! このシンプルな考えで別の方法にたどり着いたのが【ザイグル】と【やきまる】です。

 

脂が火に触れなければいいのなら、火を上に持っていけばいいというコロンブスの発想の【ザイグル】。たしかに煙は出ない、出ようがありません。一方で【やきまる】は脂をすべて水槽部分に落とし、火に極力触れさせない方法をとっています。鉄板自体の温度も、脂が発火する250度を超えないように設計されています。そのため、【やきまる】の場合、100%の脂カットは不可能です。特に脂ののった和牛の場合、鉄板の隙間から直接、火に脂が注がれてしまう! なので、煙は8~9割カット、窓を少し開ければ部屋の中でも使用可、といった加減になります。

 

しかしながら肉の味は【やきまる】の圧勝、直火がいかに肉に強いかがよくわかる結果となりました。お店の味と変わらない、ステキな焼けっぷりなのです。

 

さて携帯ボンベを使う【やきまる】は野外への持ち出しも簡単です。ちょっとしたバーベキュー気分に【やきまる】は使えるのでしょうか? 風で火が流れたり、そのせいで煙がすごくなることは?

 

結論から言えば、まったく問題ありません。

キャンプ地以外でちょっと焼き物をやりたいという時に、煙は出ないに越したことはありません。たとえば駐車場で、車のバックドアを開けて簡単バーベキューといった時に、盛大に煙が出るとかなり恥ずかしいというか、非常に肩身が狭い感じになりますが、【やきまる】ならお弁当を食べているのと変わりません。まるで煙が出ないので、周りを気にする必要なし。

 

風がそれなりに強い時に試してみましたが、火が完全に筐体でガードされているので、風の影響は皆無でした。普通のガスコンロでも外で使うと火が流れてしまいますが、【やきまる】は問題なしです。

 

火力も十分です。温度を250度以下に抑える設計のため、室内では若干火が弱い印象がありましたが、ただの印象に過ぎなかったようです。ピラニアのように群がり、突き出される箸を待たせることなく、次々に肉が焼けていきます。4~5人のパーティなら十分に対応できます。

 

テフロン加工の鉄板は、ウェットティッシュで拭うだけで汚れが取れます。水道のない野外でも、片づけは簡単。ただ内側に脂は落ちるので、鉄板の底や水皿はちゃんと洗わないと脂汚れがこびりついています。あくまで現地では仮に汚れを落とす程度だと考えてください。

テフロンなので、たれに漬け込んだ肉でも焦げつくことはありません。ジンギスカン風に野菜と一緒に炒めても、無駄な水分は鉄板の切り込みから水皿へ落ちるため、パリッと仕上がります。このパリッと感が家では難しく、家庭で焼肉を不可能にしていたのですが、【やきまる】はお店のように水分を飛ばしてくれるのでとてもおいしく仕上がります。

 

非常に厚切りのタンも焼いてみました。分厚いタンは焼き加減が難しく、遠赤外線で火がうまく内部に通ってくれないと表面ばかり焦げてしまうのですが、焼き加減に問題なし! 仙台の牛タンもビックリの分厚さでも、問題なく焼けました。

 

家で焼肉という夢をかなえる無煙ロースター【やきまる】。値段も安いですし、周りに勧めまくっています。

川口 友万

川口 友万

福岡県福岡市出身。富山大学理学部物学科卒。サイエンスライター。「ホントにすごい! 日本の科学技術図鑑」 (双葉社スーパームック)など著書多数。
毎週日曜日、五反田にて科学実験を体験できるバー『科学実験酒場』https://www.facebook.com/groups/kagakubar/ を開催している。