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2017.05.24

和知 徹の世界肉旅行 ぬりえの旅(13)

和知 徹の世界肉旅行 ぬりえの旅(13)

中世の街並みが残るチェコ 中央ヨーロッパへタイムスリップ

あたりは冷んやりとして静まり返ってる。
コツコツと革靴の踵が、
石畳みを鳴らし、
静かに歩く。
街行く人の顔は穏やかで、
でも考えごとをしている風でもある。
真っ先に屋台の出ている中央広場へ急ぐ。
豚のモモ肉を塩漬けにして、
薪で一本丸ごと炙り焼きにした、
プラハのハムがとにかく食べたかった。
肉自体が持つ脂が、
燃える薪に滴り、
その煙が上がって肉にまとわりついて、
スモークがかかる。
回しながら焼くから、
焼きと休ませることが出来ている。
真っ白な塊が、
徐々に色づき、
次第にあめ色に変わってくる。
燻香と旨味を感じさせる、
嗅いだ事の無い香りにうっとりして、
しばらくその場に立ちすくんでしまった。

 

世界中から人の集まる、
プラハの中心に流れるモルダウ川。
その風景は一幅の絵の様でため息が出る。
家族連れや恋人同士が、
橋の上で楽しそうに囁き合っている。
僕は……
それどころでは無く、
老舗の店をハシゴして、
こっちの豚はスパイスが効いているなとか、
あっちのハムはどうなんだろうなどと、
食べることばかり考えて、
観光はそっちのけ。
まぁいつもどおりなんだけれど。

 

ヨーロッパ全体で考えると、
まだまだ家単位で豚を飼っていたりする家が残っている方なのがチェコ。
家族総出で一頭をつぶし、
精肉と加工して備蓄する、
ハムやソーセージでひと冬を過ごすのだ。
だから昔ながらにさばいた、
豚の味はどんな味なのか?
知らずには居られなかったし、
その文化が無くなる前に見ておきたかった。
普段、僕達が何気なく口にしている食べ物は、普通の様でいて、そうじゃなかったりする。そこを見落とさずに拾い上げて、
自分のひと皿を作らなくてはならない。

マルディ・グラ

〒104-0061

東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビル B1F

営業時間:18時~24時(L.O.23時)

休:日

  • 03-5568-0222

和知 徹

和知 徹

骨太で豪快な料理が魅力、銀座のフレンチの名店【マルディ・グラ】シェフ。ブルゴーニュの一ツ星「ランパール」で半年間研修後、87年「レストランひらまつ」入社。ひらまつ在籍中の96年、パリ「ヴィヴァロワ」で3カ月研修し、帰国後ひらまつ系列の飯倉「アポリネール」料理長に就任。退職後、98年銀座「グレープガンボ」の料理長を3年務める。01年、独立。和知 徹といえば、肉料理とも言われるほど。著書に「銀座マルディ グラ流 ビストロ肉レシピ」(世界文化社)などがあり、“和知流”肉レシピのファンは多い。

先日、神戸にプロデュースレストラン、「Fred Segal KOBE」がOPEN!

WEB:http://www.fredsegal.co.jp/fred-segal-kobe-3-18-open/