2016.05.02
銀座マルディ・グラシェフ、和知 徹さんによる、肉料理でめぐる世界旅行記
和知シェフは料理人だが旅人でもある。
19歳ではじめてヨーロッパを訪れたときから、和知さんが食の旅をした国は数えきれません。ドイツ、イタリア、ポルトガル、フィンランド、そして中央アジア、北米、南米、オーストラリア・・・。世界各国、各地で出会い、自分の舌で味わった料理たちはすべてシェフの料理に昇華されていると言えそうです。
肉料理に限らずその国の歴史や文化を知ることは料理、食文化を知るうえでは重要です。料理を知ることとは、まず国、風土を知ること。
「やはり世界中を旅して思うことは、国境のあたりの料理が一番おもしろい。両国の境目って、2つの国の文化がブレンドされている。たとえば片方の国の色が強く融合されている場合もあるし、上手にハーフで混ざっている場合もある。そして宗教の問題も世界の料理を語るうえで外せない要素。たとえば、キリスト教だからこそ、豚とワインを食べる食文化が進化している国がある。この宗教から見る食文化を語り出すと終わらないほど考察する点が多いから(笑)。語りだしたら、軽く本1冊分になっちゃうよ」。
そう笑って話す和知さん。この連載では、和知さんが今まで訪れた場所の歴史や文化、そこで出会い、食した肉料理について書いて頂く予定です。
今では、肉焼きといえば和知シェフ。と言われるまでに肉で有名なシェフですが、そんな和知さん、最初は魚専門料理店をやろうとしていたとか?
「実は店を出すときに、肉か魚で悩んだんだよね。ローマで出会った魚専門のレストランがとっても気に入ってね。最初は魚料理専門店にしようと思ったくらい」。
このお店は修行の最後のほうで出会ったレストランだそうで、店先にとれたての魚や野菜などの食材が並び、これとこれで。というと料理を作ってもらえるスタイル。
「ここは毎日通い詰めたほどお気に入りだった。帰国前日にも訪れ、日本に戻る話をすると、帰り際に店に置いてある、ジノリの灰皿をもらったの。それは今でも大切にしているよ」。
旅行の楽しみのひとつに、さまざまな「出会い」もあります。もちろん訪れた国の数だけ、人とのふれあいもあったはずです。そんなお話もぜひ楽しみにしていてください。
さて、世界各国で人と出会い、食文化に触れ、肉料理を食してきた和知さんですが、
最後に一番印象に残っている国、料理はありますか? という質問を投げてみました。
「一番印象に残っている国はやっぱりフランスかな。草中心で育てられた牛を、暖炉の熾き火で焼いたステーキ。バスク料理なんだけど、うまかった」。
うーん、想像しただけでも美味しそうですね。
では、肉料理でめぐる、世界旅行、「和知 徹シェフの世界肉旅行、ぬりえの旅」は、フランスからはじめましょうか。
みなさま、次回をお楽しみに。
【お知らせ】
5月8日の『情熱大陸』に和知シェフが登場します。お楽しみに♪
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