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2016.01.13

あの人のけしからんレストラン「キッチャーノ 」

教えたいけれど教えたくない、でも仲のよい人には教えたい!
そんな名店を食通がリレー方式で紹介していきます。

あの人のけしからんレストラン「キッチャーノ 」

紹介してくれた人 小石原 はるかさん

「けしからん」とは、実は辞書的な意味では「道理にはずれていてはなはだよくない」という言葉であるけれど、ここでは“突出している”といったニュアンスだよね、うん!……と思いながら、では、このタイトルに当てはまり、かつ、お肉自慢なお店といえばどこだろうか? と侃侃諤諤の脳内会議を繰り広げた結果、リーチしたのは赤坂にあるイタリアンレストラン『キッチャーノ』。

 

実は、正式店名はだいぶ長い。『Specialita’di carne CHICCIANO』。訳すれば“肉のスペシャリスト”という冠が付く。またまた〜、そんなオーバーな! などと突っ込む余地は1mmも、ない。だって、シェフの山縣類さんの“肉愛”は、あまりに熱く、あまりに深いのだから。店内中央にどんと設えられた熟成庫では、日本&世界各地から届くさまざまな牛肉をドライエイジング(そのラインナップは常時公式ホームページで公開!)。その上、熱が肉に伝わらない超高級手動式生ハムスライサーやら、丸鶏がグルグル回る様子が見えるこれまた立派なロティサリーチキンマシンまで設えている(ちなみに、前菜で登場する生ハムはともかくとして、牛肉とロティサリーチキンを同日に味わうことは到底難しく、いつまでたっても鶏肉に辿りつけない!)。なんというか、“すべては肉と、それを求めて訪れるお客様のために!”という気概が、そこかしこからびんびんに伝わってくるレストランなのである。

 

そんな、肉コンシャスな『キッチャーノ』で、先日いただいて度肝を抜かれたのが、バザス牛。フランス・ボルドー地方で育てられた大変に稀少な品種で、“フランスの神戸牛”なる異名もあるとかないとか。牛肉の輸入規制緩和により、東京に居ながらにして味わえるとはありがたい限りだが、そこは山縣シェフ、ただ出すだけでは収まらない。骨付き肉を、自ら熟成させてから出しているのだ。脂が少なく、肉の繊維や風味は実に繊細。ともすれば淡白な印象に終わる恐れもあるデリケートな肉だが、そこはご安心あれ。シェフの肉愛を持って熟れさせ、焼かれたそれは、共に食した全員が「肉を味わう喜びがありつつ飲み干せるが如き、未体験ゾーンの肉!」と驚嘆したほど。いやあ、実にけしからん!

キッチャーノ

〒107-0052

東京都港区赤坂3-13-13 赤坂中村ビルB1

営業時間:11:30~14:30(L.O.14:00)/18:00~23:00(L.O.21:30)

(土曜・祝日)18:00~23:00(L.O.21:30)

休:日曜

■公式web:http://ameblo.jp/chicciano/

 

  • 03-3568-1129

小石原 はるかさん

小石原 はるかさん

1972年生まれ。偏愛系フリーライター・フードライター
エンゲル係数が妙に高い家に育ち、レストラン通いをこよなく愛する。好きな食べ物はフレンチ、焼肉、うどん。「さぬきうどん偏愛(マニアックス)」(小学館)、「スターバックス マニアックス」(小学館)「東京最高のレストラン2016」(共著・ぴあ刊)ほか、多数。