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2017.07.10

鉄道カメラマン「櫻井寛」が選ぶ 「肉々しい絶品お薦め肉駅弁」前編

鉄道カメラマン「櫻井寛」が選ぶ 「肉々しい絶品お薦め肉駅弁」前編

仕事は撮り鉄、趣味が乗り鉄、大好物なのが駅弁で、TBSテレビ『マツコの知らない駅弁の世界』に、駅弁を5000個食べた鉄道カメラマンとして出演し、マツコ・デラックスを大いに唸らせた、エキベンマン櫻井寛が、肉々しいまでの絶品お薦め「肉駅弁ベスト10」を紹介します。
東日本、西日本からそれぞれ5肉駅弁がエントリー。今回は東日本の5駅弁、それでは、北から順に食べてみよう!

ルーキーで本命。北海道では、ぜひラム弁を

トップバッターは、北海道は新函館北斗駅出身の「ジンギスカンラムチョップ」【函館みかど】(1,680円)。※写真上

 

北海道新幹線開業1周年を記念して今年3月1日新発売のルーキー。まず顔が、いや、箱が大きい。しかも他の駅弁を威圧するブラックボックスで、手に取ると駅弁とは思えない重量感に感動。もう、商品棚へは戻せなくなる。1,680円という駅弁としてはやや高額なだけに、嫌がおうにも期待が高まる。加熱式のヒモを引いて待つこと3分、パッケージを開けば、北海道の大草原で育まれた可愛いラムの芳醇な香りに包まれた。たまらず、ラムチョップをガブリと頬張れば、ラムのラブジュースが口中一杯に広がった。アイ、ラブ、ラム!

杜の都の技ありの駅弁&甘辛牛肉煮に箸が進む

2番手は、杜の都は仙台駅の「極選炭火焼き牛たん弁当」【こばやし】(1,350円)。※写真、上左

 

今でこそ、牛タンは仙台を代表するグルメの代表だが、実際に牛タンがポピュラーになったのは戦後になってから。というのも、終戦後、マッカーサー率いる進駐軍が日本各地に駐留するわけだが、もちろん仙台にも多くの米兵が駐屯した。そして大量の牛肉が消費されることになる。ところがタンは一切食べずに廃棄処分に。これはもったいないと、食べやすく工夫を重ねた結果、今日の仙台名物「牛たん弁当」が生まれたというわけ。二番打者だけに、技ありの駅弁と言えよう。

 

3番バッターは、米沢牛であまりにも有名な米沢駅の「牛肉どまん中」【新きねや】(1,250円)。※写真、上右
ただし、高級な米沢牛だと高額になってしまうの、山形県産の黒毛和牛を使用しているそうだ。
けれども旨い。文句なく旨い。お肉は、醤油で甘辛に煮込んだ牛スライスと、牛そぼろの二種だが、味わいが見事に異なる。私の場合は、まず、牛スライスを一口味わい、続いて、牛そぼろに舌鼓を打つ。続いて、冷めても美味しいこ山形県産「どまんなか米」をからめて味わう。これを二〜三度繰り返してから、真打ちは、牛スライスと、牛そぼろをミックスしてハーモニーを楽しむ。まあ、どうやって食べても旨いものは旨いのだ。

郷土愛あふれる1品と長年愛されている鶏めし

4番は、高校野球風に紹介しよう。「4番、群馬県代表、わたらせ渓谷鐵道、神戸(ごうど)駅、『やまと豚弁当』くん。」【レストラン清流】(1,030円)、背番号29(ニク)。※写真、上左

 

実はこの駅弁の生みの親は、「わ鐵」こと、わたらせ渓谷鐵道の樺澤豊社長である。群馬県出身の社長だけに郷土愛に満ち、群馬県のブランド豚「やまと豚」をメインに、地元みどり市産の醤油と大根おろしでさっぱりとした味付けに。付け合わせのさつまいもも郷愁を呼ぶ味覚である。そればかりか、この駅弁には手拭いのおまけ付き。食後はわ鐵に乗って水沼温泉駅へ。手拭い片手にホームから1分の水沼温泉露天風呂へ。これまた、樺澤社長プレゼンツ! 肉いねー!

 

5番、ラストバッターは、高崎駅「鶏めし弁当」【高崎弁当】(900円)。※写真、上右

 

今回の東日本駅弁ベスト5の中でも、昭和9(1934)年デビューという、もっとも長い歴史を誇っている。駅弁業者の中には江戸時代創業という老舗も少なくないが、100年近く愛され続けて来た駅弁は貴重な存在であり、その一つが「鶏めし弁当」なのである。内容は、鶏そぼろ、鶏の照り焼き、コールドチキン、鶏肉団子……と、鶏づくしだが、まずは、鶏そぼろを食べてほしい。そぼろの甘辛さ加減が絶妙で、高崎に行く度に、「これこれ!高弁の鶏そぼろ!」と、いつも決まって絶叫してしまうのだ。

 

以上が、櫻井寛推薦、東日本「肉駅弁」ベスト5でした。
次回は、西日本「肉駅弁」

 

 

(写真・文/櫻井 寛)

櫻井 寛さん

櫻井 寛さん

フォトジャーナリスト。

日本写真家協会、日本旅行作家協会会員、漫画原作者。大の鉄道ファンであり、仕事は撮り鉄、趣味が乗り鉄、大好物が駅弁。TBSテレビ『マツコの知らない駅弁の世界』では、駅弁を5,000個食べた鉄道カメラマンとして出演し、マツコ・デラックスを大いに唸らせた。著書に、交通図書賞を受賞した『鉄道世界夢紀行』(トラベルジャーナル)、『ザ・駅弁 メチャうまか編』(双葉社)、『ななつ星in 九州の旅』、(日経BP社)『知識ゼロからの世界の鉄道』(幻冬舎)ほか多数。