2016.03.08

ラム、LOVE!(3)

2016年はラム肉ブーム再来か。

今回は、羊齧(かじり)協会の代表であり、オージーラムPR大使でもある、菊池一弘氏による「羊肉」特集です。

ラム、LOVE!(3)

羊の匂い?臭い?の正体

世界的に見ると一般的な食肉である羊肉だが、日本では世代や育った環境により好き嫌いがはっきり分かれている。そしてその好き嫌いの原因の大半は「羊独特の匂い」に原因がある。
ある世代は「羊肉の特性を知らない人が料理した」場合や、初めて食べた羊肉が、食用専用種ではなく、羊毛用の品種が廃用された食肉だったことが嫌いになる主な原因として考えられる。また、羊の香り自体が苦手な人も日本だと結構多い。

 

そもそも、羊の特徴的な匂いは、モンゴルなどユーラシア大陸の国々では、「良い草のにおい」と言われる。なので、草の香りのしないラム※1は好まれない。
夏の初めの羊肉が喜ばれるのは、春に成長する草を食べ、その香りがするからとのことだ。

 

羊のあの独特の匂いは脂肪に集中している。

脂肪分をトリミング(削り取る)することで、匂いを抑え、そのままの香りを楽しむことができる(個人的には脂肪分の多いスペアリブが大好きだ)。また、脂肪部分に切れ目を入れることで、香りの調整が出来る。

 

そして、保存の仕方によっても羊の匂いは左右される。
羊の脂肪分は非常に酸化しやすく、酸化してしまうと独特の癖のある臭いが強くなるのだ。羊肉はきちんと保存し調理されていれば、臭いは無い。つまり、処理の仕方次第で羊肉の「匂い」にもなるし、「臭い」にもなるのだ。これは、羊自体の問題というより、扱う人間や流通の問題だ。

実は、チルドで輸入されたラムでも、保存期限が近づくと臭いが出てくる……と言うぐらい羊肉は繊細な食材である。羊ばかり食べている私にとって、保存状態の悪い肉を出す店が今もまだ存在しているのは悲しいことだ。そのような羊肉を食べた人は、おそらく、今後羊肉を避ける様になってしまうからだ。

 

現在は輸送状況も改善し、羊の調理方法も普及しつつある。羊嫌いの方は是非一度再チャレンジしていただきたい。

 

 

※1 通常、永久歯が生えてない羊を「ラム」、永久歯が1本生えると「ホゲット」、永久歯が2本以上(但し、オスは去勢された羊のみ)で「マトン」となる。

 

【コラム】日本で消費されている羊肉は99%が輸入だということを知ってましたか?

日本で消費されている羊肉の99%がオーストラリア産とニュージーランド産だ。
残り1%はアイスランド産と国産である。国別で言うとオーストラリアが7割を占める一方、アイスランドは数十トンレベルでしか日本に輸入されていない。ちなみにもともと羊肉は関税がゼロなので、話題のTTPとも全く関係がない。
個人的には国産羊肉の生産も頑張ってほしいが、この輸入産が優勢の状況はおそらくしばらくは変わらない。
オセアニア諸国にとって、畜産物の輸出は国の主要産業だ。そのため商品チェックや衛生に関する検査は非常に厳しく、品質も高い。偏った国産信仰にとらわれず、羊肉とどう付き合っていくかが大切なことだ。

メ~店 紹介

ここでは、羊齧協会 主席、菊池氏がおすすめする、メ~店ならぬ、羊肉の名店を紹介します。

 

「テラ・アウストラリス」

 

TEL:03-6455-4827
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-29-2
営業時間:11:30~14:30(L.O 14:00)/17:30~22:00(L.O 21時)
※Bar:11:30~23:30(L.O 23:00)
定休日:月曜
URL:http://www.terra.tokyo/

 

 

日本への最大の羊肉輸出国ながら、オーストラリア料理を出す店は少ない。オーストラリア料理は様々な食材を多くの国のシェフたちが料理してきたことにより、独自の進化を遂げており、「形が無いことが形」だとか。

2016年2月2日開店の旬なお店で、オーストラリアコンセプトだけあり、様々なオージーラム料理が楽しめる。オーストラリア食文化を発信する拠点になっていくのでは?と期待が膨らむお店である。

 

 

※こちらのお店は、先日の「拝啓、女性管理職様」http://www.nikumedia.com/article/restaurant/662/でも紹介しています。

菊池 一弘

菊池 一弘

父方が羊肉を常食する岩手県遠野市出身のため、幼少のころより羊肉料理に親しんで育つ。

2012年に、羊肉好きの消費者団体羊齧り協会を立ち上げる。羊肉を熱狂的に愛する消費者を中心に業界や農家、企業も巻き込み、これまでにない形での羊肉産業発展の案内人として、活動を続ける。 代表する羊齧協会は1,100名の会員と2ヶ所の支部を持つ。好きが高じて2014年12月に「東京ラムストーリー」を出版。国産、輸入問わず、羊肉の普及を目指して奮闘中。

羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)

https://www.facebook.com/hitujikajiri/